- 市議会議員
議会視察 光市農業振興拠点施設「里の厨」
臼杵市にとっても農業振興、豊かな食は推しポイント。参考にできることが確かにありました(以下に箇条書きで)。
光市は人口49798人。武田薬品や日本製鉄を抱える工業都市であると同時に2つの河川の両脇に良質な水田が広がる農業都市でもある。
ところが近年、農業従事者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加、農産物の価格の低迷などの課題を受け、その解決にむけた方策を探るなかで平成23年にオ–プンしたのが「里の厨」。
建設事業費は約3億円。「里の厨」の愛称は市民公募から決定。採れたての野菜やお米があふれる、ふる里のおばあちゃんちの台所をイメージしている。
事業内容は、野菜・米・肉・魚などの委託販売や学校給食への食材納入、生産出荷者等農業者を対象にした栽培講習会の開催など。加工事業については、惣菜、餅、パン、米粉、そば粉などを地域団体に加工委託している。
オープン以降、20万人を超える来場と2億円超の売り上げを保ってきた。ここ3年ほど売り上げが落ちている原因に生産者(出荷者)の減少がある(250→200)。
そこで今年からは幅広く募集を行い、栽培講習会を行ったりして来場者数と売り上げを保っている。市からの年間委託料は138万円と、規模の割に少額であり運営持続する上で評価できる。
里の厨では、学校給食への食材納入も行っている。給食に使う一定量を確保するために、生産者にあらかじめ出荷予定の品目と時期を聞いた上で給食メニューに反映させるとの事。学校給食は納入先として大きく、地元の野菜を使うことは子どもたちの食育や健康の面でも意義が大きいので参考にしたい。
農産物の販売手数料は15%。施設内で清掃された加工品の販売手数料は20%。現在271人の組合員がいるということで、小規模農家でも気軽に農産物を出品できる事は売る方にしても買う方にしてもありがたく、地域で農業が持続し、小さな畑が守られる仕組みとして役立っていると考えられる。
施設内に加工所があるため、新鮮な農産物がそのまま商品化され即売り場に並ぶ。おかげで鮮度の良い原材料を使った信頼がおける加工品が手に入る。
地元飲食店が経営するテナントが入っており、気軽に旬の食材を使った食事が買い物ついでに味わえる。
『有機』という表示はなかったが、それは従来の慣行栽培を否定しないための配慮でもあるということであった。農産物の栽培履歴や防除記録をすべて明らかにすることで農産物の安心安全を担保しているそうです。農業者全体に対する配慮が必要ですもんね。