- 市議会議員
島根県雲南市 議員視察(臼杵市議会総務委員会)
以前から希望していた島根県雲南市への視察が叶いました(臼杵市議会総務委員会)
雲南市は人口も高齢化率も臼杵と似通った森林の豊かなまち。 雲南市のまちづくりの基本理念は、
●いのちと神話が息づく新しい日本のふるさとづくり』
●「課題先進地」から「課題解決先進地」へ
地域の取り組みが前のめりでスゴい! 全国平均より高齢化率が高くペースが早い、ということで、様々な課題を先取りする課題先進地であるという点では臼杵と同じですが、課題に対する地域の取り組みがお題目で終わらず「本気」でした。
注目すべきは地域の自立に向けた挑戦です。地域自主組織によって、地域の課題解決や思いを住民自らが実践するというまさに住民主体のまちづくりが行われています。
今後ますます複雑化する社会課題に対して、自治体や各団体、学校、商業施設、企業などなどが課題共有して協働していこうと。
臼杵市にも地域振興協議会が存在しますが、両市の違いは、「自治」の意識でしょうか?
特に印象に残ったのは以下の3点です。
●慣習的行事よりも実質的な活動がメインであること(課題解決志向)
●区長や世帯主中心の活動ではなくて一人一人の活動であること(意見の聞き取りは中学生以上のすべての住民に行う)
●小規模ながら多くの機能を併せ持った仕組みの工夫
行政にはできにくい、暮らし密着の仕組みが、たくさんのチャレンジのなかから生まれる。住民発想だからこそ、柔軟で現実に即した仕組みができるのだとおもいました。
現在30あるという自主組織の一つ、新市を訪問しました。 会長さんの言葉からは、地域が持続する道筋を自分たちの手で探し出すのだという強い意志を感じました。
若年層が減り人材の確保には苦労しているという点では共通の課題を抱えていますが、医療、介護などこれからますます急増するであろう課題にも、解決志向で取り組んでいます。
新市では、住民の福祉カ-ド(住民台帳)を自ら作り、管理→活用しています。「おねがい会員」と「まかせて会員」とを登録して災害のときなどにも おたがいさま が機能するように備えています。
また、コミュニティナース(地域のお抱え看護師)を活用し、健康増進や福祉の充実などを図っています。
臼杵の地域振興協議会は区長さんが中心の活動となるので、活動の中心はやはり男性です。
新市では、課題解決のためのマンパワーを確保するため、女性、学生、定年退職者、など様々な人から多様なアイデアを出してもらって、組織を超えて議論したり、つながりあったりしながら活躍できるシステムを作り出そうとしているという話でした。
子どもや若者や女性がまちづくりに参画することで柔らかくしなやかなつながりや、失敗がゆるされる、チャレンジしやすい空気が満ちている気がしました。
『輝く地域があちこちできらめくことで、市全体がダイヤモンドのように光り輝くのです』と誇らしげに語ってくださった雲南市の方々。ありがとうございます。
臼杵の地域振興協議会では今のところ、予算の使い道がイベントの実施などに終始している地域も多いのですが、それぞれの地域が予算の使い道をもっと自由に選べるようになると、地域課題の解決に結びついていくような気がします。
また、もっと若者や女性が地域活動に参画できるよう、臼杵市の地域振興協議会の枠組みを見直すことも必要ではないかと感じました。