臼杵市議会議員 大分県人権啓発講師 女性議員の会副代表

人権

臼杵市役所「部落差別解消推進・人権啓発課」

課の名称が変わりました(3月定例市議会で臼杵市行政組織条例の一部改正が承認)

今年度より、臼杵市役所の課の名称が一部変わりました。

「同和人権対策課」 → 「部落差別解消推進・人権啓発課」

これに伴い、分掌事務にも

(1)部落差別の解消の推進に関すること

と、『部落差別』という文言が明記されました。

3月の定例市議会ではこの改正に、反対と疑問の声が出ました。

・・・敢えて「部落差別」という文言を課の看板に掲げることは、解消に向かっている(ように見える)部落差別の存在を認め助長させることにつながる恐れがあるのでは?!・・・

という意見です。

私は改正に賛成しました

議会では「臼杵市内の部落差別の相談件数はいかほど?」という質問がされました。臼杵市においてここ数年「部落差別」が大きく問題となった事例はありません。ですが世の中に「部落差別」は確かに存在しています。存在している限りは真正面から向かい合い正しく理解する方法を探ることが大切だと思います。

たとえば、臼杵の子どもたちが日常生活の中で「部落差別」ということばを耳にしたり、部落差別の対象とされたり、明確な意思を持って差別したりすることはないかもしれませんが、絶対にないとはいえません。なぜなら部落差別は現実にあるからです。

たった今インターネットを開いたところ「部落差別」というキーワードで、2,550,000件の検索件数が表示されました。なるべく正確な理解のための啓発をしようとしているサイトもありますが、残念ながら大部分は特定の地域や個人へのいわれのない誹謗中傷です。

インターネットを使うすべてのひとがこういう誤ったかたちで伝えられる『部落』の情報に触れる可能性があるわけです。

社会を構成するすべての人が差別や偏見意識を持っていなければ、いわゆる『寝た子を起こすな』という言い分はその通りだと思います。

しかし現実はそうではない。

他の集団や他者への侮蔑やおとしめ(貶め)を正当化して周囲に拡散する行為はインターネットの広がりとともに問題が大きくなっています(ヘイトスピーチや、マイノリティへのインターネット攻撃など)

どれも歴史や政治、社会的業績(いわゆる生産性がない、とかです)などの不当な理由をつけて差別を正当化して、憎悪を煽ったり暴力を肯定したりしているけど、反吐が出そうなものがいっぱい。一人ひとりがもつ尊厳を冒涜することは絶対に許してはいけません。

ネットの匿名性に潜むこうした問題を私たちは十分に理解して、正確に中立的に学ぶ機会をもつことが必要だと思います。

課の名称変更は『臼杵市は学校教育〜市民教育を通して差別に向かい合い一人ひとりの生き方を尊重する民主主義的な地域です』(少なくともその努力を怠りません)という宣言だと思っています。自分もそうありたい。