- 人権講師
映画「破戒」人権映画上映会
12月1日、佐伯市で人権映画上映会の司会をしました。
映画「破戒」を観るのは個人的には3回目ですが、観るたびに心が動く場面が違い自分の中にいろいろな感情や思いが湧きあがります。
主人公の丑松が教室の子どもたちに「人類というものは本来平和を愛する生き物なのです」と語りかけます。一緒に映画を観た方々はみんな「お互いを尊重し合う社会」をこころから願いながら会場を後にしたとおもいます。映画を観る、という部落差別研修のかたちはとても良いなあと感じました。
人権講師としていつも葛藤があるのですが、人権の講座は人気がない。特に「部落差別」をテーマにした講座に対して「同和問題ってまだあるん?」「差別する側の責任を追及するばかりの話はいやだ」と言われたりします。講座の中身も結局、歴史年表的なことや今までに起きた差別事件などを平たく伝えるだけになったりして、自分ごととして考える機会にはなりにくい気がします。
被差別部落の現状は明らかに変容していて、差別は解消される方向に向かっています←この言い方は無責任だし間違っているという人もいるかもしれんけど。
人々の意識や差別の形態(インターネット上の誹謗中傷など)が変わるなか研修のあり方に悩むけど、少なくともこの映画を観れば「私たちは歴史のなかで大きな間違いを犯してきた」ことや「当たり前の尊厳や暮らしを踏みにじられてきた人がいるのだ」ということが実感できるし、現在でもその差別を解消しきれていないことへの怒りや疑問が湧くとおもいます。
【人間は弱いから差別をする】という言葉が映画の中に出てきますが、誰かを見下したり批判するのは、「自分が正しい方に所属しているという安心感」を得るために手っ取り早い方法なのでしょうかね。自問自答です。